誰にもあげない




「葵。いまどこ」


「駐車場にいるよ」


「待ってて。すぐ行く」


早く会いたかった


何でこんなに会いたくなるんだろう

見つけた白い車。


当たり前のように助手席に座る


隣にはラフな格好の葵。


シャンプーの匂いがする。



「迎えありがと」



「菜月。酔ってる?」



「ちょっと飲みすぎちゃった」



「お前、俺が迎えに来るのに酔ってんじゃねーよ」



「ごめん。」