誰にもあげない




年明けは飲み会が続いた


「何してるの」

「どこにいるの」


葵からそう聞かれる事が多かった


葵には嘘をつくのが嫌だったから

「飲み会してるよ」

「男もいるの?」

決まってそう聞いてきた


「いるよ」

「心配」

「そんなんじゃないよ」


「菜月はそう思ってるかもしれないけど
男はそう思ってないかもしれないだろ」


「大丈夫」


「大丈夫じゃないだろ」


「押しに弱くて断れないんだろ」


「痛いとこつくなー」


葵は何でも知ってる

私の黒い部分も弱い部分も
駄目なところも


葵は私を叱ってくれる
甘やかさない


そういう人。