この時ばかりは周りの騒音が心地よくおもえる。僕はこの雰囲気が大好きだ。まるでヒーリングミュージックを聞いているような。火薬の匂い、屋台からただよって来る美味しそうな香り。どれをとってもはずれはない。
小雪が元気にいった。
「ねぇ!金魚すくいやろうよ!」
僕は金魚すくいが苦手だったが、ここはつよきにでてみた。
「よし!勝負だ!」
僕たちは金魚たちが泳いでいる簡易水槽の前にしゃがみ込んだ。
金魚すくいなんて何年ぶりだろう…僕がまだ幼い時、今は亡き両親とともに夏祭りへでかけた日…僕は3匹詩かとれなくて、すごく泣いたのをおぼえている…。