「ザアァァァ………」
まるでこのまま永遠にやまないのではないかと思うくらい、激しい雨が降っていた6月21日の夕方、僕は傘をささずに一人で歩いていた。生臭い、カエルのつぶれた香りがする。
「ピーー!」「ププー!」車のクラクションが痛いくらい耳にはいってくる。
「あぁ、俺、車道歩いてたんだ…」僕はこの日、彼女を誰かに殺されたショックでフラフラと、ただ、あるいていた。
なにも考えたくない。
みんないなくなればいい。僕の普段の明るい性格は、僕の中で迷子になっていた。
なにも感じない。「いっそこのまま死ねるかな。」
そう思った僕は、下に線路がある鉄橋の上に、自然に来ていた。