「きれ~…」
「あぁ…」
このとき、僕はとても幸せだった。幼くして両親をなくして、最愛の彼女、侑を殺されてしまった僕が久しぶりに味わった、人の暖かさ、やさしさ。
悪いものじゃなかった。
花火が次々とうち上がる。そのどれもが、一つ一つちがう形をして、僕はここにいるよと主張しているようにみえた。

「あれ…?」小雪がふっと上をみた。

小雪の浴衣の紅が濃くなっている場所があった。
「雨…」




「パァァ…ン…」







紅い花火が上がった。












僕は後頭部に強い衝撃を受け、その場にたおれた。











「ハマ君!?ハマ君!!!」






意識がとおざかる…小雪の声が遠のく…