窓縁と悪魔




「そんなことじゃなーい!僕に取ってはわりと大事な事だったりするのー!」



ありゃ。怒らせちゃったかな この様子だと大丈夫そうだけど



「インプルのくせに弱いんだ…とか思われたくないもんー!」


あ〜拗ねた〜!!


始めて会った時はすごく紳士的な人だと思っていたらこんな幼い面も持っていたとは。


ラス 今年で齢何百歳とかいってたよね…?


「でもインプルだから強いんでしょ?


そんなラスも閉じ込めちゃえる結界をつくる魔女たちって凄いんだね…?」



「……100人」



「えっ?」



「インプル1人分に値する魔力はヨタ100人分なんだ」



ヨタ100人分!?!?


確かヨタって5段階中の4番目じゃなかった…?


「うん でもヨタとインプルでは持つ魔力や魔法の精度そして経験…それらを総合として見たときに天と地の差があるんだ



前に魔法陣を作ったのは複数の魔女たちって言ったけど正確には10人…


その中に1人だけインプルがいたんだ


魔法陣の解く方法は分かってもそれに値する魔力が足りないんじゃあ無理だからね」



「ねぇ そもそもどうしてラスは魔法陣に閉じ込められてしまったの?」



ラスは私の瞳をじっと眺めてから少し首を傾げて



「さあ………わからないな…どうして僕は閉じ込められたんだったっけ」


なにそれっ!思わず私はずっこけそうになった



「何百年も生きてたらね 些細なことは忘れちゃうものなんだよ〜」