「確かに 悪魔族はずっと昔に滅びたって聞いていたから ラスが悪魔族の生き残りだったって言うのはびっくりしたけど
確かに悪魔っていうのは どの文献にも悪いようにしか書かれていないわね
でも 私はラスと…あなたという悪魔と出会って 優しい悪魔もいることを知れたわ
だから落ち込まないで… あなたのおかげで救われた命も 心も私の中にはあるから」
「カンナ…… ありがとう…」
ラスはやっと顔をあげた
「ちょっと!何泣きそうな顔してるの!」
ラスは今にも泣きそうな顔だった
「あはは ごめんね…」
私はラスを優しく抱きしめてあげた ラスが私にそうしてくれたように
「あなたもずっと辛かったのよね…」
…ラスは静かに私の腕の中で泣いた
「…悪魔族は僕だけじゃないんだ 意外といるよ 外には知り合いもたくさんいるはずだよ
もう何百年も経ってるから覚えられてるかすら危ういんだけど…」
「でも悪魔族は滅びたと言われているのに そんなに数多く存在するの?」
「あまり表には出ていかないだけで みんな隠れて暮らしていたりするよ
この帝国で悪魔たちと王族たちにしか知られていないことがある
おそらくだけど…」
