窓縁と悪魔




「君は……カンナは 本当にそれでもいいのかい?


もし孤児院で君が死んだことになったら これから先の未来で何か困ることがあるかもしれないよ …それでも?」


「もう 決めたことだから


…それにこんな私を認めてくれたあなただもの 1人になんてさせないわ」


「そうか… カンナありがとう…」


「でも ひとつだけ聞いてもいい?」


「どうしたの?」


「ラスは外には出ていかないの?あまり塔から出ていないみたいだけど…」


ラスは気まづそうに黙って口をきゅっと結んだ


「なにか理由があるなら 無理に話さなくても大丈夫 少し気になっただけだから」


ラスは少し考えてから


「…いや 話そう 僕がこの塔から この山から出られない理由を」


と言った。


塔から出られない理由……?


「この山はね この塔を中心に ひとつの大きな魔法陣が描かれているんだよ 魔女たちの手によってね」


「その魔法陣のせいでラスはこの山からは出られないの?」



「そう 魔法陣の外側に近づくたびに身体が苦しくなるんだ そうすると僕は動けなくなってしまうからね 結局塔からは出られない」