窓縁と悪魔




7階


ここはね 書庫 本は1万冊くらいあったんじゃないかなぁ…? 暇だから よくここに来て本を読みに来るんだよね


新しい本はなくて古い本ばっかりだけど 色々あるからさ 気になる本があれば勝手に読んでくれても大丈夫だよ


8階


ここは物置 要らないものとか 壊れたものを放置してあるの ホコリっぽいからあんまり入ることはオススメしないね



9階から15階まで本当はあるんだけど どの部屋も全く使われてないというか 使っていないというか…?


塔の中はこんな感じだよ


お風呂やトイレは塔のすぐ隣にある別館だよ 庭の方にでるとここには畑もあるからね


どう?覚えた?



「ええ 覚えたわ………でもここって塔というよりも小さなお城みたいね…」


「…確かに僕でさえもここは塔とよぶには大きすぎるんじゃないかなって思う時があるからもしかしたらそうかもしれないね」


「……素敵なところね」


ラスは少しびっくりした顔をして


「…そっか」


と少しだけほほえんで窓の外に顔を向けた


「あのね」


「? なあに?」


「僕は君があまり好ましくないかたちで僕の所へ来てしまったとはいえ 君との出会いにとても感謝しているんだ」


「…どうして?」