ジャラリと鎖が音を立てる。目を開ければ、ベッドしかない殺風景な部屋。窓はなく、朝なのか夜なのかもわからない。ただ、時間の感覚だけが狂っていく。

「……家に、帰りたい……」

久しぶりに話した声は掠れていた。情緒不安定になってしまい、ぶわりと悲しみが心を襲って涙がこぼれる。

私の両手には手錠がつけられ、足には鎖が巻きついている。部屋のドアには鍵がかけられ、私の自由は完全に奪われている。そう、誘拐と監禁だ。

私は、二ヶ月ほど前までは普通の女子高生だった。優しい家族がいて、友達がいて、彼氏がいて、充実した日々を送っていた。

でもある日、学校から帰っている途中、何者かに薬品のついた布を押し当てられ、意識を失った。次に目を覚ました時にはこの部屋に監禁されていた。それから、ずっと外に出してもらっていない。

「うっ……嫌だ、嫌だよぉ……。お父さん、お母さん……」

楽しかった学校や家族、友達のことを思い出して、しゃくり上げる。すると、ギイッとゆっくりドアが開いた。