暗い中を歩いていくとそこかしこでクラスメイトたちが脅かしてくる。


『イタイ~…タスケテ…』



「ギャーーーー!」



横から出てきたゾンビに跳び跳ねる私。



「羽柴ビビりすぎ(笑)」



「だっていきなりきたから…」



「羽柴も一応ゾンビの格好してるじゃん(笑)」



「だってこれは怖くないもん…」



ついには自分で認めてしまう始末。



「確かにね(笑)はい、進むよ~」

そういってビビっていた私の手を掴むと朝陽くんは歩き出す。



え、ちょっとまって。
こんなのドキドキする。



「おぉ~すげぇ」朝陽くんは意識してないみたいでセットのクオリティに感動している。



やっぱドキドキしてるのは私だけ?


まぁ、そりゃそうだよなぁ。




そのあとビビりながらも朝陽くんのおかげで何とか進んでいきゴールの前までくると美琴たちが立っていた。



「お疲れ~ではここ最後の映えスポットで記念写真をとりまーす!」


「はい!2人とも並んで~」


ゆりぞーとまりりんにスポットまで誘導され2人ピッタリ並んだ状態になる。


「はいじゃあいくよ~ハイチーズ♪」


美琴がシャッターを押す直前


バンッッ



大きな音がして振り向くと後ろからゾンビが出てきて叫びながら思わず朝陽くんの腕にしがみつく。



パシャッ



「はい!撮れました~♪」



私の反応にケラケラと笑う3人。


「ねーこんなのあるなんて知らなかった!!!」



「知らない方が悪い!おかげでいいもの見れたわ~www」



もーー!!!マジで怖かったのに!



「あ、朝陽くんごめん!おもいっきりしがみついちゃった!」



「いーよ(笑)てか羽柴自分のクラスのやつなのになんでそんないい反応できるの(笑)」


「いやぁ~怖いの苦手で~」



「あ、生成!はいこれ、今撮った写真ね」


そう言って美琴にわたされたチェキの写真。
まだ撮ったばかりで写真は浮き出てきておらず真っ白のフィルムな状態だった。



「写真、羽柴が持ってて!」



「あ、うん。わかった!」



良かったぁ~。私絶対やばい顔してるもん。
朝陽くんには見られたくない!


「あ、てか見回りの時間終わってんね」


スマホの時間を見て朝陽くんが言った。


「だね、遊んで終わっちゃった(笑)」



「そうだな(笑)あ、俺ライブの準備があるから行くな!」



「うん!わかった!」



「ちゃんと来いよ~!」



「もちろん!」


私がそういうとニッと笑って朝陽くんは行ってしまった。