「ごめん、待たせて。」



廊下で待つこと数分クラスTシャツに着替えた朝陽くんが出てきた。


「ううん!全然大丈夫!」


「行くか!」



「うん!」



実行委員という腕章をつけ朝陽くんと並んで歩く。

どのクラスも賑やかそうな笑い声が聞こえてくる。



「てかさ、羽柴の格好は何?」

ふと思ったかのように朝陽くんが訪ねてくる。



「え…バニーガール…」


こっ恥ずかしくて小声で答えると



「ぷっ…何それ!ぜんっぜん怖くねーw」


「え、やっぱ?」


「うんww」


ですよね~という感じで落ち込む私。


「まぁ、いいんじゃない?可愛くて」


ふいの言葉にドキッとする。


「え、あ、ありがと」


やばい。嬉しい。

照れてることがばれないように平然を装いながら朝陽くんの横を歩いているとパンフレットを見ながらきょろきょろと辺りを見渡している同年代くらいの女の子がいた。


私が声をかけるより先に朝陽くんが「何かお困りですか?」と声をかけた。


「あ、ここにいきたいんですけど…」とパンフレットの地図を指を指す。


朝陽くんはその場所を確認すると「案内しますね」と言って歩き出した。




「友達に会いに来たんですか?」と私がその子に訪ねるとその子は少し照れた様子で

「彼氏に会いに来たんです」と答えた。


その姿がとても可愛く見えた私は

「えー!可愛い!彼氏さんも幸せ者ですねー!」



「え、そんなことないですよ~、最近付き合ったばっかりだし…お二人はカップルなんですか?」



その女の子が私と朝陽くんを交互に見て質問する。


いきなりの質問にあたふたする私。


「ちがうちがう!」


「え、お似合いだからてっきりそうなのかと思ってました!」


その子がそう言うと前から「あ!きたきたー!」と1人の男子生徒が駆け寄ってきた。


「あ!たけるー!」そう言った女の子はとても嬉しそうに手をふってその男子生徒に近寄っていく。



「お二人とも案内してくれてありがとうございました!」そういって笑顔で私たちに手をふって彼女は彼氏と歩いていく。