クラスの皆が居残りで頑張った甲斐もありお客さんもかなり怖がってくれてるみたい。



「生成~そろそろ見回りの時間だよ~」



「あ、そうだ!じゃあ言ってくるね!」



「うん!楽しんできてね~♪」



美琴…確実に面白がってるな…


「楽しむもなにも見回りだから!」



そう言った私もちょっと楽しみなのは事実…。


メイクを落とす時間もなく渋々バニーガールの格好のまま朝陽くんのもとに向かう。



朝陽くんの教室につきチラッと中を覗くとかなりお客さんが入っていた。




そういえば朝陽くんメイド服着るって言ってたっけ。


ちょっと見てみたいな~。



そんなことを考えて覗いていたらイッチーが私に気づき「きなっちだー♪」と駆け寄ってきた。



「イッチー!メイド服似合ってるね!(笑)」


「え!本当に?俺イケてるー??」


あんなに嫌がっていたのに今日はノリノリでメイド服を着てるイッチー。さすがだ…。


「うん!イケてる!」



「てか、きなっちバニーガール!?可愛いー!」



「あ~。ありがとうー」


ここでも可愛いと言われやっぱり怖くないのかとと若干ヘコむ。



「あ、てか朝陽だよね?…ちょっときなっちこっち来て!」


イッチーはそう言って私を教室に連れ込む。


「え、なになに?」


パーティションの前まで連れてこられるとイッチーが「朝陽~ちょっと入るよー。」といって私の腕を引っ張る。



「樹?ちょっとまっ…」


中に入るとメイド服を来た朝陽くんと目が合う。



「えっ!!?羽柴!?」


「廊下で待ってたから連れてきちゃった~♪」



男っぽい体格の朝陽くんがフリフリのメイド服を着ている。


「朝陽くん……全然似合ってない!(笑)」


「おい!やめろって!自分でも分かってるから!」


朝陽くんは恥ずかしそうに首に手を当てて下を向く。


「でも朝陽目当てでくるお客さんが多いんだよなぁ~悔しいことに!」



「なんかの間違いだろそんなの」



朝陽くん人気なんだなぁ~。



「あ、てか見回りだよな?着替えるからちょっと待ってて!」



「あ、じゃあ私廊下にいるね!」



「えーきなっち行っちゃうの~?」



「おい!樹は仕事しろ!」



「え~!ずるい~!俺も一緒にいくー!」



子どもみたいに駄々をこねるイッチーを朝陽くんがパーティションの奥に連れていった。