~君が教えてくれるなら~




なんとか任務を終えた私はお化け屋敷の準備を進める。


パシャッ

隣で作業をしていた美琴がいきなりスマホで私の写真を撮ってきた。


「ちょっと何急にー」



「いやーなんかこれも思い出だなって思って!」


そう言った美琴にまりりんが「わかるー!準備期間が一番ワクワクするよねー!」とのっかる。



確かに。明日になったらきっとあっという間に終わっちゃうんだろうなぁ…



すでにちょっと寂しい…



そこに担任の小川先生ことおがちゃんが「いやぁ~若いっていいねぇ~」と乱入してきた。



「おがちゃんいつの間に!」


「皆がどれくらい進んでるかなぁーと思って見に来てあげたのよ!」


「じゃあ手伝ってってよ~!」


「え~ちょっとだけね?」


私たちがおがちゃんと話していると教室の生徒たちがわらわらと集まる


おがちゃんは自称20代の若手教師らしいんだけど、明るくて面白い友達みたいな担任の先生。クラス皆おがちゃんが大好き!


皆でわいわい話し込んでいたらいつの間にか校舎にオレンジ色の光が差し込む時間になっていた。



これから文化祭実行委員は明日の一般公開に向けて最終打ち合わせを行う。



実行委員長に配られたプリントに目を通していると



ん…!?



【校内見回り 11:00~ 12:00 羽柴・古瀬】



校内見回りとは、文化祭中に校内に何か問題がないか見回りをする係。


てっきり私は美琴と一緒だと思ってたんだけど…



まさか朝陽くんと2人っきりなんて…。


チラッと朝陽くんを見ると朝陽くんが私の視線に気づきプリントを指差して『いっしょじゃん!』と口パクした。


私はうんうんっと頷いて返事をした。



まさか朝陽くんと2人で文化祭まわれるなんてなぁ~。まぁ、見回りだけど…。



明日の文化祭。
きっと素敵な1日なる!私は心の中でそう確信した。