「初恋って………。
そんな訳ないですよ~!!!
私………中学生の時。
祥兄ちゃんと彼女さんのキスシーンを目撃したもん!」って………。

思い出したくもないことを、思い出してしまった。

「ハハハッ。
それはそれは。
けど………その彼女とも………直ぐ別れただろう?
俺が知ってるだけでも、両手の彼女がいたが………。
1ヶ月と、もってないぞ。
あんなのは、…………彼女でも恋愛でもない。
少し親しい女友達だ。
アイツは…………まだ恋はしてない。
和花だけだぞ。
離れず、ずっとそばにいる女の子は。
だから…………。
俺も誠も。
一花ちゃんもおばさんも………。
和花の恋を応援してるんだ。
和花に祥太が必要なんじゃない。
祥太に、和花が必要なんだ。
一旦離れて、留学したら良い。
二人とも……一度離れたら、相手の大切さに気づくよ。
けど……
帰って来たら、和花は祥太のそばに居てやって欲しい。
家から通える大学に行って………
アイツの家族になってやって欲しい。
…………アイツ………淋しがりやだから………
和花が甘えて………甘やかせてやって欲しいんだ。」

長い長い進路相談は…………

私の知らない家族のあり方を教えてもらった。