「はい、お待たせしましたぁ~」

私に向けたものと同じ笑顔を見せて、コーヒーを運ぶ菜緒さん。

リビングではお兄ちゃんの

「行かせない!」と

響の

「関係ないだろう!」の声が響いてる。

「…………響。
和花は旅行に行くこと………承知してるのか?」

マコちゃんの質問に

ちょうどリビングに入った私に注目が来る。

「………えっ?………いや………その………」

返事に困っていると。

「行くと、はっきりとは………。
けど日帰りだし、デートなんだから文句ないだろう!」

なんだ……日帰り……。

一応、響とは付き合ってることになってるから

デートだったら問題ないよね?

そう思っていたら。

「…………ダメだ!
いくら日帰りでも…………ダメだ。」って………。

えっ??

だって………デートで日帰りだよね?

相手は、響だし…………。

「なんで!!」

「高校生が、デートなんて早い。
和花は…………まだ……」

子供だ!と言いそうになり……

思い止まったみたい。

「デートなんて、学校帰りにしょっちゅうしてる。
今さら反対なんておかしいだろう!
第一、あんたに反対される云われはない。
和花を振ったんだからな!!
和花の気持ちを大切にすることより
自分の立場を優先したんだろう!!」

「俺は…………
教師として…………」

「それこそおかしいだろう!
デートしてる生徒、全員に注意するのか!!」

ヒートアップする二人の前に…………。