ビクッとした私を見て

胸に抱き寄せた響。

「ちょっ……お前!」

益々低い声を出すお兄ちゃんと

平然と睨む響の間で………

泣き出してしまいそうになった時。

「響………和花を離して座れ。
祥太も落ち着け。」と

いつもはヘラヘラとのんびりしているマコちゃんが

仲裁に入った。

菜緒さんも響の肩を押さえて

「ほらほらっ
座って座って!
和花ちゃん、コーヒーを入れ直すから手伝ってくれる?」と

私と響を取りなしてくれたの。

「……………はい。」

菜緒さんについてキッチンでコーヒーを入れていても。

リビングでいがみ合う響とお兄ちゃんの声が気になる。

ポンポン。

さっき響にしたように

私の肩を叩いて落ち着かせてくれる。

「マコちゃんがいるから大丈夫!
マコちゃんって、とっても大人で頼りになるんだよ。」

そう言ってニッコリ笑ってくれた。

菜緒さんとマコちゃん………

お似合いだな。

私にもいつか………そう言ってもらえる人と出逢えるのかな?

二人を羨ましく思いながら想像したのは………

やっぱりお兄ちゃんだった。

まだまだ諦め切れないね。