「………祥兄ちゃん。」

お兄ちゃんの悲しみが見えたから………。

私の気持ちは………

封印することにした。

『祥太君』は…………もうおしまい。

「祥兄ちゃんは………大切な家族だよ!
お母さんもお義父さんも………
おばあちゃんだって、そう思ってる。
私だって………
私だって………そう思っていた。
今だって………そう思うけど………
それだとダメなの。
だって………
祥兄ちゃんに………恋をしたから………。
家族に恋は………ダメだから………。
……………ごめんなさい。
お兄ちゃんが欲しいのは
彼女でも、恋する和花でもなくて………
家族で姪で…………妹の和花なのに…………。
ごめんね………びっくりしたよね。
けど………もうあきらめる!!
姪で、妹に戻るよ!
みんなに公表しても大丈夫。
だって………祥兄ちゃんだもん。
ごめんなさい。」

頭では、分かってるし。

自分で決めたことなのに………。

心は………

ついてきてくれず、涙が溢れる。

本当は………笑顔で言いたいのに…………。

結局、それだけ伝えるのがやっとで………

お兄ちゃんを振り切り……

部屋を後にした。