「ヨシッ。
じゃあ、和花も反省してるし。
帰るかぁ~」

思った以上に祥兄ちゃんが不機嫌だったからか。

さっきまで怒っていた澤先生は

フォローに回ってた。




教室を後にして

澤先生、私………祥兄ちゃんの順で廊下を進んでいると。

ふと、先生達がいた時に『祥兄ちゃん』と呼んでたことを思い出した。

祥兄ちゃんと知り合いだと気づかれたかな?

出来るなら、知られず過ごしたい。

私が好きなことで

叔父さんと姪の関係が。

色眼鏡で見られて、祥兄ちゃんに迷惑をかけたくない。

それに………

告白が失敗して、留学することになっても。

『叔父さんがいるから贔屓されて選ばれた!』って言われると。

留学した私は大丈夫だけど。

残った祥兄ちゃんは……全て背負うことになってしまうんだもんね。

だから。

「澤先生………。
今まで通り………祥兄ちゃんのこと。
みんなには………………」と

口止めをしようと口を開くと。

「和花、もういいだろう。
みんなに本当のことを言おう。
そうしないと、和花のこと庇えないから。
和花は俺の『可愛い姪だ!』って伝えよう。」って…………。

……………………………。

可愛い姪。

…………分かってたことだけど…………。

面と向かって宣言されると…………

結構くる。

まだ………

告白すらしてないのに………………。

「勝手なこと言わないで!!
何が………可愛い姪よ!
祥兄ちゃんは、私のことなんて気にせず
彼女でも作って、ほっといて!」

何が姪よ………。

そんな事、今さら言われなくても分かってるって。

………………………………お兄ちゃん…………。

びっくりしただろうなぁ。

…………………………。

ごめんなさい…………好きになって……………。