「ほらみろ!
やっぱりあの男が不安だったんだろう?
そういう時は、祥太に連絡しろ。
直ぐに飛んで行くから。
祥太に繋がらなければ、俺だって良いから。
兎に角、誰かに連絡を取って助けを求めろ!
何かあってからじゃ、取り返しがつかないんだぞ!」って………。

今までは、いつもお母さんかおばあちゃん。

お義父さんか………祥兄ちゃんが側で守ってくれてた。

だからいくらみんなが『危ない!』って言っても。

真剣に聞いてこなかったの。

『世の中、そんなに悪い人ばかりじゃないよ!』って。

祥兄ちゃんに恋をして。

みんなに『好き』を知られないように距離を取ったら………

今まで知らなかったものが、色々見えてきて………。

初めて男の人が、怖いと思ったの。

だから今なら………澤先生の言うことがよく分かる。

深く反省していたら。

「和花、塾は止めろ。
それが嫌なら………
母さんか一花姉に迎えに来てもらえ。」と隣から声がした。

普段聞いたことのない

祥兄ちゃんの声だった…………。

「……………………はい。」

私には、これしか答えられなかった………。