キィ……キィ………キィ………。

一人、ぶらんこに揺られる。





あれから………どれくらい時間が過ぎたのか…………。

学校帰りの夕焼けは………

夕闇に変わっていた。

いつもなら、心配性の祥兄ちゃんが迎えに来てくれるのに………。

今日は、まだデートなのか………

来てくれない。

……………………………淋しいよう。

ねぇ、祥兄ちゃん。

和花のこと…………忘れちゃった?

もう大切じゃなくなった??

キィ…………キィ……………。

静かな公園に

ぶらんこの音だけが響く。





「…………………和花?」

更に時間が過ぎ。

辺りはすっかり暗くなった頃

私に声をかける人が現れた…………。

祥兄ちゃんの少し低い声とは違い。

この間声変わりしたばかりの男の子の声。

顔を見なくても分かる…………。

幼馴染みの………佐藤 響君。

幼稚園から何度も同じクラスになっていて

今は、同じ図書委員をしている。

昨日は一緒に委員活動をして、部活をお休みしたから

今日は遅くまで頑張ったんだと思う…………。

響が帰ってるってことは………………

もう7時を回ってるのか……………。

祥兄ちゃんのキスが

改めてショックだったんだと感じた。