「じゃあ、こんな風にされたらどうやって逃げ出しますか?」

ギュッと強く大河は抱きついてくる。突然のことに私は「きゃっ!」と悲鳴を上げた。大河は私の首すじに顔を埋める。そして、チクリと痛みが走った。

「……うっ!」

「綺麗についた!さて、逃げられますか?このままだとどんどん印がついちゃいますね〜?」

唇や舌が首を這っていく感覚に、私は悲鳴を何度も上げそうになる。チクリと時おり感じる痛みに、独占欲の真っ赤な花がつけられているのだとよくわかった。

「ほら、逃げられないでしょ。お嬢様は私から離れられませんね?」

ニヤリと笑う大我に、私は「馬鹿」と赤くしながら呟くしかなかった。マカロンみたいにこの人は甘くない。むしろ、意地悪だ。

「もっと印、つけていい?」

独占欲の塊には逆らえない。私は彼に抱きしめられながら、彼の思うまま愛される。