「ありがとう」

お礼を言い、私はマカロンに口をつける。卵白と砂糖とアーモンドを使った焼き菓子。甘い。とても、おいしい。

クランベリー、バニラ、チョコレート、レモン……。色鮮やかで可愛いマカロンを口に入れると、幸せで満たされる。

「マカロンは、おいしいですか？」

マカロンを頬張る私に、そっと大河が近づく。そして、首すじをツッと撫でられた。敏感なところを触れられ、びくりと体がまた震える。この人は、私の弱いところを全部知っている。まるで、体を全て触ったことがあるみたいに……。

「とてもおいしいわ。甘くて、幸せ……」

私がそう言うと、「俺もいただこうかな？」と大河が笑う。そして次の刹那、私の手に持っていたマカロンを口に入れた。

「あっ！それ……」

しかし、時すでに遅し。大河はマカロンを口に入れてしまった。か、間接ーーー。