「どうした?」



手はたっぷりの泡が付いていた。



「え・・・っと・・ちょっと考え事してた」



蛇口をひねって泡を洗い流す。



琉聖が背後から柚葉を抱きしめた。



「りゅ、琉聖さんっ?」



びっくりしてどもってしまう。



「ゆず、無理するなよ」



耳元で囁くと琉聖は柚葉を離して行ってしまった。



琉聖さん・・・。



ちゃんとわかってくれている。



柚葉は琉聖の一言で疲れが吹き飛んだ気がした。