そのタイミングで退社申し出をした。抱えきれない。抱えきれる自信がなかった。ここで、工場長になってしまえば絶対退社できるわけがない。今は体力もあり、責任のある立場で働けているが、今後もずっと出来るか?と、自分に問う。答えは即答でNoだ。
とはいえ、やる事はきちんとしないと、と思い工場移転の件は全て整えた。
全工程の手順書、チェックシート、管理シートなど、無事全て作り終えた。
チェックシートなどに関しては、Rv1から始まったのに、現場で使ううちに、この項目は要らないだの、あの項目増やした方がいいだの、現場からの声を聞きながら改定の繰り返しだ。
私がいる間に完成したのは、製品によって違うが、Rv7とかRv9とか。一番改定が少ない製品で、Rv4だった。
それらを全て完了させ、全てOKをもらえた。だからといって、労いの言葉や、褒め言葉もない。当たり前の事だ、お前の仕事だったんだろ。とでも言うように。むしろ、仕上がりが遅いと言わんばかりに。
私の血と涙の結晶とはこう言う事なのか。1から作り上げ、時には日中現場に入りながら全てをこなす。
手順書からチェックシートまで、全て完了させるのに二年半はかかった。
現場で使ってみた時に、使いやすいかどうか。複数の意見を取り入れながら、改定し再作成の繰り返しにしては、上出来だったのではないかと、自画自賛するしかなかった。