無理矢理仕事をこなし、薬を服用しても気持ちの問題だと思い薬の服用を辞め、通院もしなかった。結果論、その後なんの問題もなく過ごせたからよかったのだが。
3年なんて余裕で務めると思っていたのに、3年経ったら辞めるという選択肢しかなかった。社長からは、罵声を浴びせられ、主任の顔色を伺い、部下には気を使って指示する。中間管理職ならではの悩みだろうが、18.19歳の私にはキツかった。3年経つまでは耐える。そう言い聞かせて。
祖母の、
「若いうちに苦労は買ってでもしなさい。」
という教え。
ーーーはぁ?どういう意味?苦労なんて、出来ればしない方がいいに決まってる。いや、もはや、いらない苦労ばかりですからーーー
当時はそう思っていた。
祖母の何度もいうそのセリフが、悔しくて仕方なかった。
だけど、今になってその意味がわかったような気がする。
人との関わりの中で、相手を認め、自分の存在価値を考える。
自分の評価は自分ではなく、他人がする事。それには、自分を自分で認める事も必要だと言うこと。
その時は全く聞く耳を持たなかった。だけど、消して無駄では無かった苦労。むしろ、あの時の苦労が今の私を幸せにするんだ。
私は、一回りも二回りも大きくなり、ある意味器の広い人間になりつつあったのだろうと。今は思う。