すると、丁度お母さんの呼びに駆けつけた担当医の女の先生。 「志乃ちゃーん。手握ってくれる?」 左手に添えられた先生の手をゆっくりだけど動かしていく。 「うん。じゃあ瞳孔見るから少し眩しくなるよ」 左右の目をじっと見て一瞬だけライトを当てていく。 「うん、瞳孔問題なし。脈も落ち着いてるね。それじゃあまだボーッとしてると思うからゆっくり休ん でて。また後日に包帯取ろうね」 優しく語りかける先生に頷く。