愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜




「あのふたり、実は裏でも有名な犯罪者なんだ」
「えっ…」

「俺も目をつけてた。
未成年の女にたくさん違法なことさせてるから」


あのふたりとは、先ほどの男たちだろうか。
名前だけでなく、ふたりの男の近況まで知っていた瀬。

一体何者なのだろうか。


「親にバレたくなくて泣き寝入りしてる女たちがほとんどだから、願わくば示談で終わらせて、男たちには二度と過ちを繰り返さないようにさせる。ちょうど脅しの材料も揃った所だし、今が頃合いかもしれないね」


理解が遅れるのは、普段聞き慣れない言葉を口にされているからだろうか。

泣き寝入りだの、示談だの。
脅しの材料だなんて…あまり良い気はしない。