「どうやら瀬野はお前から求めて欲しかったみたいだぜ」

「私、から…?」


「だって愛佳ちゃん、突然僕たちから離れようとするもん!涼ちゃんも不満だったんだよ!

だからって愛佳ちゃんから本音を引き出すまで劣勢のフリをするのは、さすがの僕もバカだと思ったね」


「散々拒否されたからね。
ここは折れないって思ったよ」


それって、つまり…私がすぐに本当を言えば、瀬野はこんな怪我を負わずに住んだ…?


「……瀬野」

「何も聞かないって言ったよね。
光希も余計なことを言わない。

今日はもう、川上さんは俺のそばにいたらいいの」


「……うん」


瀬野が喋るなって言ったから、口を閉じて黙る。

少しして悠真くんの家の迎えが来て、私と瀬野、それから悠真くんが乗り込んだ。


悠真くんは助手席で、後部座席には私と瀬野が乗る。