愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜




「でも涼介だもん、莉乃の考えを理解してくれる。
これが終わったら、涼介も莉乃もここを去るの」


裏切ってといて、簡単に許してもらえると思っている莉乃ちゃん。

さすがに考えが甘すぎると思ったけれど。
兄妹ということで、瀬野は彼女を許してしまうかもしれない。


ただ心の傷はいつまでも残り続けるだろう。



そうしている間も、時間は過ぎていく。
自分は何もできないまま。

外の様子がまったくわからないでいると───


「剛毅さん!やりました!」


ひとりの男が嬉しそうに剛毅さんの元へとやってきた。

その人は幹部のうちのひとりで、嫌な汗が流れた。


「どうした?」

「瀬野です!
瀬野涼介を捕らえることに成功しました!」


どくんと、心臓が大きな音を立てる。
目を見張ったのは私だけでなく、剛毅さんも莉乃ちゃんもだった。

あの瀬野が真っ先に捕らえられたというの?