愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜







「酷い表情してるね」


煌凰のアジトに着いた時、そこには莉乃ちゃんの姿があった。

反省の色は見えない。
むしろすべてが終わると喜んでいるようにも見えた。


「あんたがそんな表情する資格ないと思うけどね。まあ安心しなよ、涼介には危害を加えないって言ってくれてるから」


莉乃ちゃんの言葉に、思わず剛毅さんを見たけれど。

彼は特に反応を示すことはなかった。
恐らく会話が聞こえていただろうに。


なんとなく嫌な予感がする。
もしかして、剛毅さんはそれも条件として莉乃ちゃんに情報提供してもらった?


莉乃ちゃんは瀬野さえ無事で、この世界から去れるならそれでいいのだろう。

けれど剛毅さんが本当に危害を加えないのだろうか。
莉乃ちゃんが騙されているということはないのだろうか。


もちろんそのような疑問を聞けるわけがなくて。
刻一刻と時間だけが過ぎていく。

緊張感が漂う中、剛毅さんだけが嬉しそうだった。