「それとも逆かな。
食べる時間すら惜しんでヤってるの?」
「……っ!?」
思わず顔をあげる。
瀬野は相変わらず嘘っぽい笑みで私を見つめていた。
冷たさを感じる声が痛い。
「後者が正解かな。それで倒れたなんて知れたら、みんなの笑い者にされるよ」
剛毅さんに手を出されていることは事実であるため、否定はできないけれど。
瀬野が思っているほど関係は進んでいない。
ただ、瀬野以外の男にキスされ触れられて。
抵抗せずに受け入れてしまっているのもまた事実だ。
早く忘れたくて。
自分で選択したけれど、苦しみから解放されたかった。
「確かにそうかもね。別に言っていいよ、周りに。だって本当のことだから。私には剛毅さんがいるから平気」
それなのに、どうして瀬野は関わってくるの。
忘れたくても忘れられなくなる。
苦しみが継続されていく。
「その割に君が倒れるまで無理していることに気づかなかったんだね、相手は。
こんなにも顔色が悪いのに。
ご飯もまともに食べていないんだよね」
その時、瀬野の手が伸びてきたかと思うと頬に添えられた。
あまりに突然のことで、目を見張って彼を見つめることしかできない。



