愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜




「何かあったのかわからないけど、ちゃんと話すんだよ。後悔したらダメだからね!」

「……うん、ありがとう」


すでに話は済んでいる。
だからこそ今の状況、沙彩の話に戸惑う自分がいて。


「あら、川上さん起きたのね」

「あっ、先生。
愛佳はちょうどさっき起きたんです」


その時、席を外していた保健室の先生が戻ってきたようだった。


「調子はどうかしら、川上さん。
病院に行く?」

「あ、いえ…寝てたら楽になっていたので」
「本当に病院行かなくていいの?」


沙彩に病院へ行くよう促されるけれど、首を横に振る。

寝ていたことで体調も良くなっていため、大丈夫そうだ。


それに病院へ行けば剛毅さんにすぐ伝わることだろう、説明するのも色々と面倒だ。


「それならもう少し様子見で休みましょうか。
まだ昼休みだし、ゆっくりしなさい」

「……はい、そうします」


先生の言葉を受け入れ、まだ休むことにした。



「沙彩、教室に戻っていいからね。
お昼もまだ食べてないでしょ」

「う、うん…あ、でも愛佳もお昼食べないと!
良くならないよ」


正直食欲は湧かないため、断ろうとしたけれど。


「先生、ここでお昼食べていいですか?」

「ええ、いいわよ。
川上さんにも食べてもらわないとね」



沙彩は先に断れない状況を作ってきた。
それほど心配してくれているということだ。

ここは諦めて素直に食べようと思った。