「そんな醜い私を剛毅さんは受け入れてくれたの。だから私は逃げたの…ごめんなさい瀬野、どうか恨む前に関係を終わらせて…」
止まらない涙。
本当は好きだと伝えられたら、どれだけ良かっただろう。
少しの間沈黙が流れた後、ようやく瀬野が口を開いた。
「───そっか」
ひどく冷たい声だった。
瀬野はシャツを掴む私の手を引き剥がし、そしてゆっくりと立ち上がった。
優しさのかけらもない冷たい視線が刺さる。
痛い、全部がたまらなく痛い。
「君がそれほど望むなら、俺はもう何も言わない。
ごめんね、君の気持ちに気付いてあげられなくて」
違う、違うの。
顔を上げた時にはもう、瀬野は私に背中を向けていて。
再び彼が振り向いてくれることはなかった。
彼が部屋を後にして、閉められたドアにようやく手を伸ばす。
「……行かないで、瀬野…」
立ち上がる気力さえない私は、ただ小さく一言そう呟いた。
けれどその声は彼に届くことなく、虚しく消えていった。



