「煌凰の思い通りになったらダメだよ川上さん。
俺に君を守らせて?」
その時初めて優しい瞳が私を捉えた。
思わず心が揺らぐ。
ああ、本当に瀬野なら私を守ってくれる───
『お前の存在は瀬野を弱くする』
けれど、剛毅さんの言葉が脳内再生されて。
ここで折れたらダメだ。
私のせいで今の状況に陥ったのだ。
せめて瀬野の負担を減らしたい。
剛毅さんの言葉通り、瀬野には守るものが多すぎるのだ。
私がいなくなって負担が減った分、勝利に近づけるのならそれはそれで喜ばしいことだ。
例えその勝利の場に私がいなくても───
「ごめん、瀬野。私は負けが見えているチームにいつまでもいられるほど馬鹿な女じゃないの。
瀬野もわかってるでしょ?雷霆のメンバーを吸収した今、煌凰に敵わないって。わかってるなら闘う前にさっさと降参し…」
「うん、そっか。
まだ川上さんはその選択を取るんだね」
「さっきから何?
私は弱いあんたなんかより、剛毅さんの方が…んっ」
負けじと言い返していたその時。
瀬野が私の唇を自分のそれできつく塞いできた。
久しぶりのキスに目を閉じて受け入れそうになった自分を恨みたい。



