愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜




「へぇ、煌凰の総長からね…どのような経緯で睡眠薬を受け取ることになったの?」


ゆっくりと。
本当のことを聞き出そうとしてくる瀬野。

油断は禁物だ。


少しでも言葉の選択に失敗すれば、瀬野は真実へと繋げることだろう。


「あんたを眠らせるため以外に何があるの?ずっと私のそばから離れようとしないあんたは警戒心が強いから、少しの物音でも目を覚ますだろうって剛毅さんが気を遣って睡眠薬を渡してくれたの」


余計な一言をつけて、嘘に嘘を塗り固める。

本当は私が逃げられないように、決心が揺らがないようにと渡してきたのだ。


「そっか…目的は俺から離れて敵の元に行きたかったからだよね。それなら直接言えば良かったのに」

「…っ」


痛いところを突いてくる。
眠らせたのは、覚悟が足りていなかったから。

それだけは絶対に言えない。