愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜




「ええ!超純粋な反応じゃん見た目の割にかわいい!」

「これぞギャップだな…お兄さんは好きだぞ。
これから一杯、俺たちの飲まない?」


いくら酔っているとはいえ、未成年を誘うことは犯罪だ。



思わず周りを見渡すけれど。

みんな面倒ごとに巻き込まれたくないようで、素通りされてしまう。


チッと舌打ちしたくなった。


「すみません、今から帰るところで…」

「いいじゃんホラ!」
「楽しいこと、しよーよ」


ゾワっとした。
全身がこのふたりを嫌っている。

無理矢理腕を引かれてしまい、変に抵抗できない。


もし相手を刺激して、路地裏…あるいはホテルに連れ込まれたら?

そこら辺の居酒屋に連れ込まれた方がまだ助かるチャンスはある。


落ち着け、今の自分は制服姿だ。
助けてくれる人もいるだろうと。