このような人間はきっと、何をしても満たされないのだ。
どんどん上を目指そうとする。
自分のものにしようとするから。
「じゃあまた帰りも迎えに来る」
「……勝手にして」
彼は学校の近くに車を停めた。
幸い、人通りが少ない道で救われた。
ここ最近はずっと瀬野と一緒に登校していたため、ひとりで学校に行くのはひどく久しぶりな気がした。
「あっ、愛佳!?」
「…えっ」
正門を通り、靴箱で上履きに履き替えている最中に誰かが私の名前を呼んだ。
顔を上げると、沙彩が焦った様子で私のそばに駆け寄ってきた。
「……沙彩」
「ど、どうしたの!?一週間も学校を休んでたなんて…瀬野と何かあった?」
思わずギクリとした。
真っ先に瀬野について触れてきたからだ。
「えっと…」
別れた、と素直に言うべきなのだろうか。
ここまで来たら好感度よりも周りを固めることが優先かもしれない。
返答に困る中で、再び沙彩が口を開いた。



