「……はぁ」
プライベートの時間でも誰かと一緒にいないといけないのはさすがに疲れる。
ネオン街は本当に明るい。
夜空とまるで似合わない。
目がチカチカしておかしくなりそう。
なんて思いながらも、駅を目指そうとしたその時───
「おっ、美女はっけーん!」
「待て待てどこだよ!?…あっ、本当じゃん」
嫌な予感がした。
近くを通ったチャラい男ふたり組の視線が私に向けられていたような気がしたから。
こんなにも夜のここは危険なのか。
「ね、君!高校生がひとりでこんな場所うろついてて大丈夫なの?」
「お兄さんたちが駅まで送ってあげようか?」
最悪だ。
ふたりの中のひとりに、肩を掴まれてしまう。
「えっ、あ…私ですか?」
最初からネオン街にあるカラオケに行くこと自体断っておけばよかった。
目の前の男ふたりはすでに酔っていて、酒臭い。



