愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜




彼の言葉が心に刺さる。
泣きそうになるのを必死で堪えた。


「所詮その程度の関係だったんだな。
これから瀬野の変化が楽しみだ」

「……」


本当は今すぐ耳を塞ぎたいけれど、悔しくてギュッと手を握って我慢する。

何も言い返せなくなった私はその場を離れた。


私たちは決して浅はかな関係ではなかった。
少なくとも私はそう思っている。

瀬野は…もう、わからないけれど。


「……ああ」


こんな風に苦しくなるなら、出会わなければよかった。

好きにならなければよかった。


外は晴れていて、恨めしいくらいに良い天気だった。
どうせなら、どんよりとした重い天気の方がいいのに。

その願いすらも叶わなかった。
本当に自分が惨めで仕方がない。


それでも人前では弱さを見せないように注意した。
煌凰の総長の前では特に。

その弱さに漬け込まれそうだ。
何があっても彼には心を許さないと決めていた。