愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜




彼の言葉を借りる訳じゃないけれど、一番平和に終われるやり方が見つかりますように───


「これは呆れたな」


いつまでも彼の隣にいると、気分が悪くなりそうで。

適当に嘘をついて外の空気に当たろうと思い、煌凰のアジトから移動している最中に誰かに声をかけられた。


薄暗い場所から現れたのは、雷霆の総長だった。
相変わらず金色の髪が目立っている。



「私もあんたに呆れた、結局煌凰の一員になるなんて」

「剛毅さんが勝手に動いた俺たちを責めずに手を伸ばしてくれたからな。仁蘭を潰して、俺たちは一番になるんだ」

「そこまでして上に立ちたい?」

「そりゃあな。統一とか生温いことを言ってやがる族より、一番に貪欲な族の方が存在価値がある」


本当に?

煌凰の総長は“自分が”一番で在り続けることに対して貪欲な気がする。



「それよりお前の方が呆れたな。
瀬野は強いと絶対的な自信を持っていたのに」

「…っ」

「結局は剛毅さんに移行した」
「私はっ…」

「少なくとも瀬野はそう思うだろうな。なんて軽い女だって。今のお前は最高に惨めだ、それこそ俺と同じくらいな」


私を見て嘲笑う彼。
嫌な笑い声が耳に残る。

軽い女、惨め───


嫌われる覚悟をしていたつもりだったけれど、苦しい。

私はまだまだ覚悟が足りなかったようだ。
瀬野の元を離れるでいっぱいだった。