愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜




だからこそどうにかしてあげたいと思うのだ。
翼くんにも協力してもらう義理がある。


「早く瀬野の母親の居場所を調べて。あいつを助けてやりたいの。このままじゃ一生過去に囚われて弱いままだよ瀬野は」


多分、翼くんを睨んでいるように見えただろう。
翼くんは目を見張って、呆然としていた。


「わかったら早くして。あいつ、莉乃ちゃんと会う以外は私から離れようとしないから、ひとりになれる時間がないの」

「……それが君?」


どうやら翼くんは、素の私を見て驚いていたようだ。


「ああ、そうだったら何?今は関係ないでしょ
それで、調べてくれるのくれないの?」

「……もし断ったら?」
「どんな手を使ってでもあいつを説得させる」

「……ふふっ」


私の返答を聞くなり、翼くんは小さな笑みを漏らした。

初めて見る笑みだった。


「それが君の姿なんだね。
瀬野くんも気に入るわけだ」

「……え?」

「うん、いいよ。
瀬野くんに秘密で調べてあげる」


翼くんはそう言うとゲーム機を置いて、今度はパソコンを取り出した。