すると翼くんがゲーム機から顔を上げてこちらを見ていた。
「君の用件は何?」
読めない表情なのは彼も同じだ。
じっと私を見つめ、返答を待っている様子。
一度私は風雅さんの方を向いたのは、みんながいる前で瀬野の話をしていいのかと迷ったからだ。
「涼介に直接話が行かないように俺から言っておく。それにみんなも涼介のことをもっと知るべきだと思うな、俺は。煌凰との衝突も控えてるわけだし、もっと互いの理解を深めてもおかしくねぇ」
それは落ち着いた声だった。
ピリッと、部屋に緊張感が走る。
風雅さんの言葉で決心した私は、再度翼くんと目を合わせた。
「瀬野くんのお母さんの居場所、見つけてほしいの」
「……っ!?」
先ほどまで冷静だった翼くんの目が見開かれる。
多分、瀬野の母親の事情を知っていたからだろう。
「どうしても会いたくて…翼くんなら見つけられるでしょう?」
「……それは無理な頼みだよ」
けれど翼くんは、ハッキリと断ってきた。
本当に風雅さんの言う通りである。
「僕は、瀬野くんに頼まれたことしか調べない」
「それはどうして…?」
「それは…こんな僕に、瀬野くんが手を伸ばしてくれたから」
「えっ…?」
ポツリと、翼くんが小さな声で話し始めた。
どこか一点を見つめながら。



