「あいつ、表では優等生演じながら、裏ではそんなことをしてた。まだ中学生だっていうのに、間違った正義を掲げて。
不良とか非行に走る奴らは暴力的で、その時は大人しくてもいつかは牙を剥く。そうなる前に自分が止めるんだって。それを同じように暴力で押さえつけてたら意味ないっていうのに、それに気付いてない」
初めて聞く、瀬野がまだ中学生だった頃の話。
今の瀬野からはなんとも信じられない話だった。
「涼介は暴力とかそういう“悪いこと”に敏感だったんだ。だから自分の力でそれを無くそうとした。
俺の仲間もその被害に遭ったらしくて、さすがに黙ってられねぇなって。そしたらどうだ、意外と俺たち仁蘭の目的と涼介の目的が似ていたんだ。
俺たちは他の族を統一して、この辺りの裏を落ち着かせたかった。もし統一が叶えば、自然と悪い奴らも減るだろうと。
涼介は賢くて強いから、きっと仁蘭にとってプラスの人間だと判断したから仲間に誘ったのが始まりだな」
風雅さんは懐かしそうに話す。
今となっては思い出と化しているようだ。



