「川上さん以上に派手な露出の服を着た女なんて、たくさん見てきたのに。どうして川上さんだとこんなに手を出したくなるんだろう」
「…っ!?」
「冷静なフリをして、今すごく気持ちが昂ってるんだ俺」
瀬野の気持ちが乱れている───?
その落ち着いた声からは想像なんてできないけれど。
「綺麗だよ、川上さん。
やっぱり今日着てもらって正解だ」
言葉にするのが本当に遅い。
それもこの状況で言うのだから、ズルさは増す一方。
「……やっ」
全身の熱が私を狂わせる。
耳を甘噛みされ、舌を這われて。
我慢できない声に、彼が笑う。
「我慢は体に毒だよ?」
「…っ、やだ」
こんな声、聞きたくない。
だから私は我慢しようとするけれど。
「じゃあ俺の方を向いてほしいな。
川上さんの表情全部、この目で見たい」
甘い誘いに目が眩む。
頭がふわふわして、変な気持ち。
瀬野の手に誘導されながら、ゆっくりと振り向いた。
「……うん、すごくかわいい顔してる」
目が合うなり、満足そうに笑う瀬野。
私の頬に手を添えて、じっと見つめられる。
「そ、そんなに見ないで…」
「川上さんを独り占めできる俺は幸せ者だね」
「…んっ」
今度は唇を重ねられる。
もう何度目かわからないキスなのに、まったく慣れない。



