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結局沙彩と選んだのは、オフショルニットにフレアスカートといったコーデだった。
最初はミニスカートを推されたのだが、オフショルニットにしただけでも褒めて欲しい。
肩が露出しているのだ、瀬野はそれを見逃さないだろう。
さらにミニスカートとなれば、スカートの中に手を突っ込まれるような気がしてならない。
そのようなことを考えてしまう私も私なのだが、どうしても瀬野は手を出してくるのだ。
予め防いでおくことも大事である。
「じゃあね愛佳、また明日!
瀬野を惚れさせる作戦、明日も考えようね〜!」
私よりも今度のデートに対して張り切っている様子の沙彩。
まだ日時さえも決まっていないというのに、デート服を買うだなんて少し気合いが入りすぎだ。
けれど今日の会話は瀬野も聞いていた。
つまり私が浮かれているわけではないとわかっているはずだ。
だから大丈夫だと自分に言い聞かせ、服の入った袋をギュッと掴む。
瀬野はどのような反応をするんだろうかと考えながら、私は帰路についた。



