「じゃあここは愛佳の綺麗さを最大限に活かさないとね!でも愛佳って何でも似合いそうだからなぁ…パンツ系もスカート系も似合うから羨ましい」
「え、そ、そんなことないよ…」
「やっぱりデードだから露出多めにしよっか!」
「…っ!?」
ダメだと即答しそうになったけれど、慌てて口を閉じる。
ダメだ、そんなの。
瀬野のことだから絶対に手を出す想像しかつかない。
「これ、涼介が聞いてたら意味ないんじゃねぇか…?」
「そうだね。俺たちは戻ろうか」
真田の言葉に瀬野は頷き、男子のグループへと戻っていく。
ようやく安心できて嬉しいような、ふたりで過ごすつもりだった昼休みが潰れて悲しいような。
何とも複雑な感情である。
「ここは攻めの姿勢だよ愛佳」
「で、でもそんな…初めてのデートなんだし…」
「ここで怖気付いたらダメ!
ガッツだよガッツ!もっと瀬野に惚れてもらうの!」
「惚れて、もらう…」
「自分にメロメロになってもらうの!
やっぱり一途って憧れるなぁ」
私よりも上機嫌な沙彩に釣られるようにして笑いながら、私たちはデートに向けて女子らしい話をしていた。



