「あれ、愛佳ちゃんたちは何処にいくの?」
自然とふたりが視界から外れ、安心していたのも束の間。
突然莉乃ちゃんに名前を呼ばれ、ビクッと肩が跳ねる。
何を構えているんだ私。
相手は歳下の女の子で、別に怖くもないというのに。
「うるさいなぁ。
僕たちは今からテレビ観に行くの」
「えっ、莉乃も観たい!
涼介行こうよ」
「ダーメ!対戦ゲームもする予定だから。
てことで翼も悠真っちも行くよ!これで満員!」
光希くんは半ば強引に悠真くんと翼くんも奥の部屋へと連れて行く。
結局私は莉乃ちゃんの方を振り返ることができなかった。
変なの、私らしくない。
何を弱気になっているんだ。
「ひーくん、寝てるね。
そっとしといてあげよう」
「そう言っておきながらゲームをするんだろう」
「起きたとしても不機嫌だろうし、スルーで大丈夫だね!」
陽翔くん同様、少し響くんの扱いが雑なような気がする。
けれど、ここはあえて何も触れないでおく。
きっと光希くんは誰に対しても怖気つかない性格なのだろう。



