「そんな…フラれ、フラれた…」
「悠真っち!唐揚げとポテト大盛りで頼んであげよう!」
「仕方ない、失恋記念日だ。
今日は許してやろう」
「お前らマジで俺の扱い酷すぎんだろ!?」
私がきっぱりと断ったことで落ち込む陽翔くんだったが、わざとらしくふたりが慰めに入る。
本当に扱いが酷いが、これが通常運転にも思える。
「でも本当はみんな、尊敬してるよ。
頼りになる副総長様だから」
「光希…お前」
なんとも単純な男なのだろう。
今の光希くんの言葉で、すぐ上機嫌へと戻る。
「だからみんなで楽しくピザを食べようよ」
「……ったく、仕方ねぇな」
「じゃあ後はお願いします悠真っち!」
「結局注文からは俺かよ」
光希くんを見てため息を吐いた悠真くんは、スマホを持って部屋の外へと出た。
「もう今日は涼ちゃんのこと忘れて楽しく行こうよ!」
「う、うん…ごめんね、私なんかのために」
「愛佳ちゃんだから快く来たんだよ!それにお正月ムードで飽きてたから。やっぱりここに来たら落ち着くなぁ、安らぎの場所みたい」
ソファにもたれて、天井を見上げる光希くん。
何かを思い返しているかのようだ。



