少し厚めの服などは湿っていることもあるため、その時はベランダへと干す。


家事には慣れているのか、瀬野を見れば手際よくアイロンがけをしている様子。


やっぱり何でもできるのだろう。

それなのにどうして一人暮らしは無理だと言っていたのか、不思議でならない。



「こんな丁寧にありがとう」


綺麗にアイロンをかけられたシャツはシワなく伸びていた。

またシワにならないよう、これもハンガーにかけて干しておく。


「これぐらいして当然だよ」


こんなにも良い人感が溢れている瀬野が、どうして家から追い出されたのだろう。

今日関わったことで、さすがの私も疑問に思ったけれど。


「そろそろ寝よっか」

深く干渉せずに寝ようと思った。
特に雑談するような仲でもない。